ベルーナカタログチラシからの注文

有名なファストファッションの店よりも安い!

 

ベルーナと言うカタログ雑誌をご存知だろうか。

 

 

スーパーやドラッグストア等のサッカー台の隅に置いてあるあの雑誌だ。

 

 

私はミセス向けのカタログだと思っており今まで手に取ることはなかったが、母が読んでいたのを興味本意に覗きイメージが変わった。

 

 

そこには流行のファッションアイテムが並んでおり価格も手頃だ。有名なファストファッションの店舗にある商品とさほど変わらない。

 

 

むしろ上品でこちらの方が好みでもある。

 

 

母は楽しそうにカタログを眺めていた。そんな母に私は提案をした。

 

 

「お揃いの服を買おう」と。

 

 

母は大喜びし、早速二人でどれを買うか相談。ちなみに二人の年齢は20代後半と50代前半である。

 

 

母は年齢の割に若く見える方で、ミセスという雰囲気ではない。一方で私は年相応か少し上に見える方だ。

 

 

この二人に似合う服は何か。カタログのページをめくりながら考えを巡らせた。

 

 

すると、ある商品に目が留まった。

 

 

「チュニック」だ。

 

 

お尻が隠れる丈のゆったりした服。ウエストマークにリボンがついており、スタイルアップが叶う。

 

 

二人の意見が一致し、母がブラックで私はホワイトを注文することにした。

 

 

ふと思えば、年齢が上がるにつれて親子で相談や談笑をする機会が減ったように思う。

 

 

こうやって共通の話題ができれば会話が生まれ和やかな気持ちになる。

 

 

最近は仕事の忙しさや世情から、人の温かみを忘れていた部分もあった。それこそ血の通っていない歯車のように。

 

 

跳躍するが、親とはいつか別れが来る。そんな話を母にしたら年寄り扱いするなと怒られそうだか、コロナとなれば話は違う。

 

 

この何の変哲もなく日常生活に溶け込んでいるカタログが、そういった感情を呼び起こしてくれたような気がした。

 

 

「ベルーナ」はただ者ではない。

 

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